久しい仲間

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 雨が降り続ける。冬に入ったというのに、全く、空気の読めないことだ。雪ならまだしも、この季節の雨は辛い。傘を持つ手が熱を奪われて、厳しく刺さる冷たさにすっかり感覚を鈍らされている。  それでも、俺は帰る訳にも行かない。今日は小学校の同窓会が予定されているから、目的地まで前に進むしかない。  俺と同じくビニールの傘を手にする男女や、紺色や緑など、色のある傘を差した人々が交差し、飲み屋の乱立した通りはにぎわっている。  人がこうも多くいると、不思議と楽しくなるのが俺の性分だ。寒いことは嫌いだし、雨も嫌いだがそこにいたいと思うのも事実で、足は止まることなくその通りを歩んだ。  同窓会の幹事役に抜擢された――いや、出席番号で勝手に決められたというべきか。赤井の話だと、居酒屋を貸しきったそうだが、さてそれはどこにあるやら。  ゆっくりした歩みで目当ての店舗を探す。居酒屋源ちゃんという店の横に、赤い暖簾に白字でとりやという店を発見し、そこが件の店だと判断し、中へと入る。  内部は外見の老舗風なものとは比較的に綺麗で、座敷席が二つにカウンター席に七人ほど座れるようで、快適な広さの店だ。  席は満杯に近く、そこにいる客はどこか見覚えのある客ばかりだった。
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