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ここからが、本番だというのか。今の事実すら、前座に過ぎないと？
一体、ここにいる全員が知っている事実ってなんなんだ。その中でも、把握していることが違うのはなぜだ。
「どうして、どうして皆、俺が知らなかったことを知ってるんだ？」
「昔、あることがあったの。それを目撃した人、後から聞いた人に分かれているけどね。
今日、貴方にそれを伝えることが私達全員の目的よ。
なるべく時間を掛けて、ゆっくりと伝えていこうと思ってたんだけど、そこの馬鹿がねえ」
「うるせえ！ 赤井も賢二も、いつまで経っても行動しようとしねえし、お前らだって途中から話し込んでただろ！」
「それは、そうなんだけど」
「やっぱり、言い出しにくいじゃん？」
誰もが言い出しにくいらしく、それぞれの目線は明後日を向いている。
「あの、とりあえず、順序だてて説明してくれないかな。どんな事実なのか解らないけど、とにかく話してくれないか」
その問いから、最初に口を開いたのは赤井だった。
「そうだな、黙ってても駄目だよな。俺から話す。ただ、その、俺は嘘を言わないって、先に公言しておくぜ」
「赤井だけってのも気が引けるから、私も話すよ」
前に出てきたのは内田だった。悪びれた様子もなく、俺の前に立つ。横目で長谷川の方を見ると、申し訳なさそうに頭を下げた。
「まず、赤井と坂井が核心を知ってるの。私は聞いたことまでしか話せないから」
「わかったよ」
緊張が高まり、鼓動が早まる。この場の全員に語られる真実とは、一体なんだというんだろう。
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