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二人がやられた……?
「嘘……?」
「嘘だと思うなら探してみなよ? もうこの世界にはいないからさ……」
気付くと私は女に向かって飛び出していた。そのまま渾身の右ストレートを振りぬく。
キィィン!
女は畳まれたコウモリ傘で私の拳を受け流した。その動きに無駄はなく、かなりの動体視力を持っている。女の突きが私の首を狙ってきたが、上体を逸らしてなんとか避け、そのまま蹴りに移行する。女は傘を縦に持ち替え私の蹴りを受けたが傘の骨の上からでも十分衝撃は伝わった。
「……」
声には出さないものの女の表情が曇る。しかし次の瞬間、四方から紫色の気弾が私めがけて襲い掛かってきた。
「くそっ」
一旦上空へ急上昇して逃れると気弾はその場でぶつかり合い、爆発した。紫色の煙が立ち込め女の姿も鞍馬の姿も見当たらない。
「どこだ!!」
襲い掛かってくる気弾を翼と手刀でかき消しながら、気弾の発生源を探す。
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