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「いけ! 火炎放射!」
「グオオオオオ!」
耳をつんざく咆哮と共に竜が鞍馬めがけて青い火炎を吹いた。炎が触れた鉄筋はどす黒く焦げ、辺りに鉄の臭いが充満した。
しかし鞍馬もさるもの、広範囲に広がる竜の炎からいち早く抜け出し続けざまに光弾を打ち込んでくる。
「グルル……」
竜もさすがに苦しそうなうめき声を上げていた。
「このままじゃ時間の問題……私が行く!」
怜美さんが竜の中から飛び出そうとするとまさおがその腕を掴んだ。
「駄目だ! あいつ強いよ! 怜美姉ちゃんが怪我をしたら一彦って人を倒せない……お姉ちゃん、僕らで倒そう!」
いつの間にか立派に成長したまさおの姿を見ていると思わず涙が零れそうだった。
「わかった! 怜美さんは一彦さんだけを目指して! 私とまさおであいつを足止めします!」
「……ごめんね、皆。私が守るって言っておきながら……。すぐに戻って来るわ、それまでお願い……!」
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