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部屋の中は煙で前が見えない状況だ
しかし鼻を刺すような異臭が充満していた
(なにこの臭い)
リックは鼻をふさぎながら父の姿を探す
少しして煙が晴れて視界がよくなり前方に父の姿が現れた
「父さ……ん!?」
リックは言葉を失った
「リック……にげ…ろ」
父ロイの左胸には漆黒の鋭利な氷が突き刺さっているのだ。口からは血を流し喋ることも辛そうだ
「え、な…父さんどうして?」
リックは動揺して後ろに下がる
その時何かに躓きしりもちをついた
躓いたものを確認したリックは涙が止まらなかった
「か…あさん?」
そこにあったのは全身氷で串刺しにされ大量に出血した母の姿があった
すでに絶命している
「おえぇ」
リックは嘔吐した。そして気づく、この異臭は最愛の両親の血のにおいであることを
その時
「リック…よく聞き…なさ…い」
すでに目がうつろの父ロイがリックの隣にきて話す
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