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3年1組の浅見春子が桐原先生を好きだということは、誰もが知っていた。
それはとても分かりやすいものだった。
決して小汚いギャルではないが、茶髪に少し濃いアイメイクと今どきよくいる派手めの外見をした浅見は、教師に反抗することも多く生活指導の河内先生はよく手を焼いている。
もともと目立つ部類の生徒ではあるが愛らしい容姿と細い手足は、それをさらに引き立たせた。
「桐原せんせー」
甘い声を出し、桐原先生の腕に絡み付くその姿はまるで彼氏にそうするように自然で。
桐原先生を見つめるその瞳は、
俺が浅見を見るソレと全く同じものだった。
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