12人が本棚に入れています
本棚に追加
体をくねくねさせてせてお母さんは駄々をこねる。
こうなったら最後、お母さんはテコでも譲らない。
私は抵抗することもできずにお母さんに捕まり、強制的におめかしされるんだ。
鏡台の前に座らされて、髪をすかれて、薄めのお化粧をされて、かわいらしい服を着せられて。
「はいできあがり!」
優に一時間。
私はお母さんにもみくちゃにされた。
「どうかしら?」といった具合にお母さんは私を鏡に写す。
そこには私っぽくない私が複雑そうな顔で私を覗いている私が写っていた。
「おーい、車の準備が出来たぞ? シノはまだなのか?」
お父さんが呼んでいる。
「あらやだ、もうこんな時間? シノ、サンドイッチが用意してあるから車の中で朝御飯は食べてね?」
私は間に合うように起きたのに。お母さんのせいでものすごく寝坊したみたいになっちゃった。
最初のコメントを投稿しよう!