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『ウガーッ』
『バンッ!バンッ!』
「よっしゃ倒した!!」
PM11:30
春休みを利用してバイオハザッドの全クリを目指そうとしている少年が居た。
その名も『城島 大地(きじま だいち)』。
咄嗟の判断力と主人公性質のイケメンを除いては至って普通の高校生。
そんな彼はこれから起こる出来事など全く知らずにゲームをしていた。
そのゲームのような世界になることも知らずに…。
「………もうこんな時間か…」
ゲームに夢中になっていた大地は、針が二時を指した時計を確認し、ゲームの電源を切る。
もちろんセーブ済み。
「はぁぁ……春休みはまだ一週間以上あるし…バイオもちょっと飽きてきたな…なんかこう…刺激的な事でも起きないかな……バイオの世界みたいな」
「キャーーーーッ!!!!」
大地が冗談混じりで言ったセリフの直後、女性の悲鳴らしき声が聞こえた。
まるで…誰かに襲われたような…。
窓から外を確認する。念のため窓は開けていない。
「……見えない…か…?」
ここからだと盲点の場所で何かあったらしい。
「…ま…いいや…オレが行ってもしょうがない」
見るのを諦めるように窓に背中を向けた。…が…
「ウワァァァァッ!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁっ!!!」
「アッーーーー!!!」
再び、いや、さっきよりも多い悲鳴が聞こえた。
……最後の人はホントに犯される意味で襲われたんだろうけど。
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