第一章 はじまり

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ゴコーンンーー 何度聞いてもビクッとするこの音… 飛行機の着陸を報せる大きな振動と共に、私が搭乗していた旅客機が仙台空港に到着した。 今でも夢に出てくるこのシーン、娘の二回目の来日を目前に朝のランニング中雪道で足を滑らせ左手首を骨折した母、ギプスした片腕を目たたせたくないためか真っ白なコートにくるまれて到着ロビーで私を迎えてくれた。 「ルル、こっちこっち!」 三年ぶりに会う娘がよっぽど愛しかったのか、骨折したとは思えないほど明るい笑顔を見せる母。 「昨日ね、ルルが来たら朝一緒にランニングできると思うとつい喜んでスキップなんてしたら、転んじゃって。てへへ」 照れ笑いをしながら愛しそうな視線を私に送る 「まあ、会わない間にまた伸びたわね、身長。」 『そりゃあ、3年も経てば伸びるよ!もう13才だし!』 これから異国の地に移り住む娘の心細さを振り払うかのような母の笑顔に、少しほっとした。待ちに待った母との再会に喜びながら照れ臭そうに周辺を見渡した…
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