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あの、飲み会の夜。
佐川さん、嶋田さんと4人で会話をしている最中も。
神谷さんは、羽村を気にしている様子だった。
そんなことに気づいたのは、俺だけだろうと思う。
この時点ではまだ、羽村をからかう面白いネタになるかもしれない、と思うくらいだった。
けれど、手洗いに席を立った神谷さんは、戻ってきた途端に羽村の隣に座った。
ガチガチに緊張しながら顔を真っ赤にして神谷さんと話す羽村。
それが、あのとき初めて見た、羽村の上気する頬と重なった。
……ソレは、俺のだろ?
一緒に飲み始めてから一度だって感じたことのない、気持ちだった。
自分でも、どうしてこんな気持ちになるのかわからなかった。
ただ……羽村に近付く神谷さんと、嬉しそうな羽村を見ていたら、胸の奥にチリチリと焼けつくような苛立ちを感じたのは、事実だった。
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