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「……じゃあ、試してやろーか?」
「ため、す?」
「ああ、気持ちよくしてやるよ?」
「きもちいー、の?」
「ああ」
「ほんと?」
「もちろん」
自信満々に頷いてやった、けど。
本当は、そっちの方の自信なんて特にない。
フツーの、ノーマルな行為しかしたことねーし。
ただこの機会を逃したくなかった。
これを逃したらもう、次はないような気がしたから。
自分でも説明のつかない羽村への衝動にも近い気持ち。
それだけのために、必死になって酔っ払った羽村を誘導していた。
「んー」と考える素振りをした羽村が、ふっと笑った。
「じゃあ、いーや」
緩んだ顔に面食らう。
まさか承諾してくれるとは思ってなかった。
……拒否しなければ、仕掛けるつもりではあった、けれど。
戸惑いながらも、恐る恐る、問いかける。
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