終わりとはじまり

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  次第に激しくなる口づけは、お互いの息を荒くして。 一瞬、そっと唇を解放した。 試す、って、どこまで? この先に進むには、どんな罠を仕掛ければ、いい? 酸素の足りない頭で必死に考えても、妙案は出て来なくて。 ただこの腕の中のぬくもりを離したくなくて必死だった俺に、羽村が呟いた。 「きもち、いー……ね?」 驚いてその顔を窺うと、とろんとした様子で俺を見つめている。 まるでそこに何か別の感情があるみたいだ、なんて思うのは、ただの願望か。 「もっと、して?」 その台詞で、全部吹っ飛んだ。 次へ進むのに躊躇している俺には、効果的かつ刺激的な一手だったように思う。 羽村を抱え上げて寝室へと運ぶ。 薄暗い部屋の中で、まだ自分の置かれている状況に気付いていない羽村に、出来るだけ怯えさせないよう、そっと覆い被さった。 .
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