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「……はあっ……」
長い、長いキスを終えて。
そっと唇を離すと、今度はちゃんと目を閉じていた羽村が、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
食いてーなって思った上気した頬、そのときより、もっと痺れる甘い顔。
あーもう、本当、どうしてくれよう。
「……やっぱ、いいな」
「え……?」
きょとん、としながらも、瞳は少し潤んでいる。
状況がつかめず、困惑を浮かべた顔は、ほんのり色気を纏ってる。
可愛い、っつーか、何これ兵器?
肌が合うのはもちろんだが、それ以上に、いちいち仕草がやばい。
俺、こんなツボ持ってたのかって、初めて思い知らされることばかりだ。
「ミオ」
呼びかけて、頬に触れる。
我慢できなくて、もう一度唇を合わせた。
「続きは、月曜な」
最期に頬をするりと撫でて、ベッドから出た。
羽村が追ってくる気配は、ない。
こうすれば、月曜までの、二日間。
嫌でも俺のこと、思い返すだろ?
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