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三十過ぎてから、初めての失恋をした。
彼女を思うとまるで学生の頃のように胸がときめいて。
ほんの少し触れるだけで、緊張と興奮が体中を駆け巡った。
だけど、僕の恋心は、淡く散った。
彼女が、好きだった。
間違いなく、好きだった。
彼女を好きだという気持ちに諦めをぶつけたら、
僕の心は何かが大きく欠けてしまったような気がする。
二度と恋なんてしない、とは言わないけれど。
また恋が出来る日が来るとも、思えなかった。
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