《5》

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  「ちょっと大人になった響に、乾杯」 そう言ってビールを飲み干した翔兄さんに、僕は不満げに反論した。 「何だよそれ…三十路の男捕まえて」 「ばーか。俺にとってはいつまで経ってもお前はコドモなんだよ」 「…納得いかないなあ」 そう呟いたが、それ以上は追求しなかった。 腑に落ちなかったのは本当だが、兄の声色には何となく、優しさが滲み出ているような気がしたからだ。 そこに、涼さんが料理を持ってきてくれた。 僕は早々に飲み干したビールのお代わりを頼む。 スモークサーモンにポテトサラダ、小さなオムレツなんかが少しずつ大皿に並べられている。 その中に、見覚えのある料理を見つけて思わず呟いた。 .
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