《5》

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  「溜め込むよりも、話した方がラクになれるんじゃないかしら? なーんてね。やだなー私ってほんっとおせっかい! ごめんね響ちゃん!」 勢いよく言い終わり、てへ、とでも言いたげな感じで舌を出す。 そんな素振りにまた、申し訳ないような気持ちがわき上がってくる。 …わざとおどけたんだってことくらい、僕にだってわかる。 「そんなことないよ」 僕が即座に否定したことに驚いたのか、彼女は目を丸くした。 そして僕は彼女に向き直り、いつも彼女がするように、僕はじいっとその瞳を覗き込んだ。 「おせっかいだなんて、そんなことない。千紘さんは僕のために言ってくれたんだよね? 自分を卑下するようなこと、言わないでほしいな。だって僕はいつも、千紘さんに助けられてるんだから」 僕の言葉を聞いた千紘さんの瞳が、揺れた気がした。 それはわずかな動きで、僕がそういう風に思い込んだだけかもしれない。 だけど、一瞬だけ。 彼女は確かに、いつもと違う表情を見せた。 .
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