いつもの二人

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「えー、というわけで、いついかなる状況においても、えー…」 2年A組に昇級して1ヶ月。 少しずつこの金持ちクラスにも慣れてきた。 ていうかThe・庶民の私がなんでこのクラスにいるのかその意図が掴めない。 『俺と結婚するんだから、ある程度の知識は持ってもらわないと困る』 なーんていう匡の言い分もぶっちゃけ響いてこない。 だってまだ高校2年生だよ?! 結婚なんて実感ないよ~…。 匡とならしたいとは思うけど…。 そこまで思考を巡らせ、再び教師の言葉に耳を傾ける。 「えー、なのでこの場合は、えー…」 もう幾度目か分からない『えー』を連発しながら教師の話は続く。 このクラスは財閥跡取りを集めただけあって、それなりの授業が開講されている。 経営学をはじめとして、会社運営や人の指導など、社長になるにあたって必要そうな授業が多い。 (なにが必要でなにが必要じゃないのか庶民の私には完璧に理解できないけど)
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