Page 18 あの日の君へ【Side S】

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当時――いやまぁ、現在もなのだが――その地方は戦争や内紛が絶えず、国境近くに位置する街は常に空襲の危険に曝されていた。 幸いにして直撃を受けることもなく、何とか無事に毎日を送っていたが、この日は違った。 教会のすぐ近くに落ちた。 私は目の前のことに気を取られていて、全く気付かなかった。 突然の地震のような振動。 男がバランスを崩して転がり、教会の壁にぶつかったのが見えた。 私はその場を動けないまま、とにかく彼女を病院へ、などと頭だけを勝手に回転させていた。 その間も、空爆は絶えることなく。 教会が崩れたのはそのすぐ後だ。
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