Page 18 あの日の君へ【Side S】

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とにかく二人を建物から離れた場所へと引っ張っていったことは覚えている。 少し離れた場所から、崩れ落ちる教会を放心状態で眺めていた。 ふと気付くと、隣でラファエルが死にかけていた。 こともあろうに奴は、いつの間にか再び手にしていた獲物で自殺をはかったのだ。 ――お前までいなくなる気か?   お前まで、俺を置いて行くのか……? ――嫌だ。   嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 「っの、大馬鹿野郎……ッ!」
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