Page 19 あの日の君へ【Side R】

5/18
前へ
/288ページ
次へ
ジョアンはあの通り、生真面目で頭も良い。 僕だってアホではないけれど。 昔、聞いたことがある。 「何で飛び級しないのさ」 しようと思えば出来るのに、彼は僕に付き合って、一年一年を普通に――そう、至って普通に過ごしていた。 先の僕の問いに彼は、 「お前といると飽きない」 と、ニヤリと笑って言ったのだ。 ナタナエルと出会ったとき僕らは16歳だったから、ジョアンとは既に十年近い年月を過ごしていたことになる。
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加