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「ううん。大切な人がいなくなると、とんでもないことを考えちゃうよね…」
寂しそうに笑った。
「あたしが弱いだけだから。このピアノ…おかあさんがよく弾いてたの。曲は…『愛の夢第3番変イ短調』。」
懐かしいな…
あたしも弾きたくて教えてもらってた。
「だから…この前聞いた時…恐かったんだよね。まだちゃんと受けとめてなかったから。」
「…優しいんだね。ま、強がってるのバレバレだけど。」
ギクッ!!
「ずっと、誰にも言えなかったの?」
あたしは、黙りこんだ。
信じることが出来なかったんだ。誰も。
「言えて良かったね。秘密にしておくね。だってクラスの人気者が泣き虫って…思われたくないでしょう?」
…海野くんに嘘は通らないな。
心を読まれたみたい。
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