ごめんね…

4/7

59人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
「ううん。大切な人がいなくなると、とんでもないことを考えちゃうよね…」 寂しそうに笑った。 「あたしが弱いだけだから。このピアノ…おかあさんがよく弾いてたの。曲は…『愛の夢第3番変イ短調』。」 懐かしいな… あたしも弾きたくて教えてもらってた。 「だから…この前聞いた時…恐かったんだよね。まだちゃんと受けとめてなかったから。」 「…優しいんだね。ま、強がってるのバレバレだけど。」 ギクッ!! 「ずっと、誰にも言えなかったの?」 あたしは、黙りこんだ。 信じることが出来なかったんだ。誰も。 「言えて良かったね。秘密にしておくね。だってクラスの人気者が泣き虫って…思われたくないでしょう?」 …海野くんに嘘は通らないな。 心を読まれたみたい。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加