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HRも終わり、多くの人が部活へ向かう。
「なぁ…」
ドキッ…
「…今日、一緒に帰れる?」
しんとした教室に蓮の声が響く。
「あ…えっと…」
「いいよ…帰れる。」
いつもなら…おちょくったりしていたり、ふざけたりしてるのに…
こんな蓮…見たことない。
ガラッ…
「あ、上田さん!」
う…海野くん!
「良かった~、まだ残ってたんだ。これ、ありがと!」
大きな袋をあたしに渡した。
中を確認すると、前に貸した服が入っていた。
「あ、ごめんね。ジャマしちゃったかな。ばいばい」
冷めた態度にいらっとしたけど、その通りだよ。
あたしと海野くんには何の関係もないんだから。
ちょっと、
ちょっとだけ期待してた。
海野くんにだけドキドキしたいんだよ?
「行こう?」
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