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「…最近、上田おかしくね?何かあった?」
蓮の言葉を理解するのに時間がかかった。
頭が、ついてかない。
あたしの頭は海野くんで溢れてる。
「何もないよ。あたし、本屋に寄って帰るから。ここで!」
なんとなく、そばにいるのが辛かった。
「あぁ…うん。じゃーな。」
とりあえず、本屋に入る。
見たことのある人の姿があった。
「海野…くん?」
彼の様子がおかしい。
今までとは違う。
片手の震えをかばいながら、息を切らしてる。
「海野くん!!」
誰かが触れたらすぐに倒れそうなくらい、ふらついてる。
何があったの?
「来るな…来るな…」
額には汗、唇は紫色。
こんなの…おかしい!
「はぁ…大丈夫だから…はぁ…」
どうすればいいかわからない。
「病院、そこだから行こう?保険証は持ってる?」
「いいって!!」
ほとんどの人がチラチラと見ている。
「…ごめんね…上田さん。」
手の震えは無くなったように見えた。
顔色はまだ悪いけど、落ち着いたらしい。
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