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帰り道。
芽衣と別れてから、いろいろ考えた。
どうすればいいのかな。
告白なんて…出来ないよ。
「上田さん!おーい!」
後ろから誰かがあたしを呼ぶ。
あんまり…
ふり返りたくない。
「上田さん?今日は、弾かせてくれないの?あのピアノ。」
まともに顔がみれない。
「僕、すごくあのピアノ好きなんだよね~」
「そ…うなんだ。」
もうやだなぁ…
怖くなっちゃった。
「…そうだ!アドレス、教えてくれない?」
ドキッ…
「…ごめんっ…ケータイ…家に忘れて…」
アドを聞くことは
あたしが望んだこと。
でも、この前の告白していた人が繰り返し浮かんでは消える。
だんだんと視界がぼやける。
「じゃ、手に書いてあげる。えーっと…」
ペンを取りだし、
あたしの手の甲に書き始めた。
「泣いたら消えちゃうよ?」
お願いだから…
優しくしないでよ。
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