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電話を切り、救急車を待った。
「海野くんっ…海野くん!」
「ごっ…め…」
苦しむ海野くんに出来ることは声をかけてあげるだけ。
「死なないでぇ…死なないで…」
涙が止まらない。
手が震える。
怖い…死なないで…
点滴を打ち、落ち着いていた。
「海野くんは…?」
近くにいた看護師に聞いてみた。
「まだ落ち着いたばかりなので、そばにいてあげて下さいね。」
そう言って、部屋から出た。
「海野くん…」
手を握る。
さっきの震えていた手とは違っていた。
あたたかい…
本当の海野くんの手だ。
「あったかいよ…海野くん。」
そのまま、眠りについた。
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