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蒸し熱いエレベーター内に希少な風が吹き込み、開放感と共に流れ込む解放感が妙に心地よい。
ミッションを完遂に成功した満足気な電自動箱形輸送機に感謝の一礼を捧げて、サンクチュアリへの第一歩を奥歯で強く噛み締める様に踏み込む。
帰宅中に無差別に書き込んだ頭のメモ帳の帰ったら即実行リストから、シャワー(冷)を寒いと感じるまで浴びるを厳選、選択。
ついでに汗でベットリ身体にくっついている状態の衣類を洗濯。
だが、物事はそれほど上手くは進まないらしい。
頭の中で積み上げた予定が無残にも崩れる。
ごめんなさい、私こんな時どんな顔すればいいかわからないの…。
いや本当にわからないの…。
あえて、まどろっこしい説明も比喩もなしで言おう。
現在地は605号室前。
俺の部屋は角部屋601号室、その間4部屋。距離にしてざっと20数メートル程だろうか。
今になっては何故もっとはやく気付かなかったのか悔やむだけ、まぁ悔やんだ所で心の準備云々の問題で終わるだろう。
エレベーターを出て直ぐに部屋の扉の前に段ボールが置かれているのには気付いていた…
だがまさかその段ボールから人間の足が飛び出てるなんて、誰にも予想できまい。
ノストラダムスも人類滅亡は予想可能でも、この事実には今の俺の様に素直に現実逃避に走るだろう。
それに俺には宅急便屋さんにわざわざ死体を注文して自ら罪を被る趣味はない。…ざわざわ
一応言っとくが、やらしいサイトで等身大のフィギュアを注文して自ら人生を否定する趣味もない。
彼女いない歴16年の歴史は否定する。
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