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授業がすべて終わり
帰る準備をしていると
勢いよく教室のドアが開き兄貴があらわれた
「峻ー帰ろ」
「んー 別に先に帰っていいっていつも言ってんだろ」
「だめ 一緒に帰るの、早く」
「はいはい」
こんなやり取りもいつもの事になったのでもう当たり前だ
帰り道兄貴は手を繋ぎたがる
「なー峻 手は?」
「は…?手がなんだよ」
「だからー手繋ごってこと」
なぜ毎回拒否してるのに
こうも懲りずに………
「イヤに決まってんだろ?それに俺が良いって言う日は永遠に来ねーよ」
当たり前のことながら
兄貴はまったくめげる事はない
「そーやって照れちゃって、絶対峻は俺と手繋ぐようになるよ」
その自信はどこからわいているのだろうか
「絶対ねーよ」
「絶対あるよ、峻は俺のものになるの」
………俺のもの?
俺はものじゃねーし
「俺は兄貴のものになった覚えはねーし、なるつもりもねーよ」
「………今は、だろ?」
そう呟いた仍の言葉は峻には聞こえていなかった
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