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ぼくはママの家に来てもうすぐ3年になる。
3年前の夕方、ママの子供(おっきいお兄)が兄弟と一緒にスーパーのビニール袋に入れられて駐車場に捨てられていたぼくを見つけて、ママを呼びに行ったのがきっかけで
ママとママの旦那さん、おっきいお兄と小さいお兄、ぼくと色合いの似た優しいけど落ち着きのない先輩ワンコが居るこの家にやって来たんだ。
他の兄弟達はママのお友達や近所のママさんに貰われていったそうだ。
この家に来たばかりのぼくはママの旦那さんが口にくわえて臭い煙を吐く煙草と云うものの箱よりも小さく、まだまともに歩けもしなかったんだ。
震えていたぼくを、ママはふわふわのタオルと湯タンポというなんとも温かくて気持ちいい物で温めてくれた。
ママは閉店間近のお店に駆け込みぼく用のミルクと哺乳瓶を買ってきてくれたけど、
小さかったぼくはそれを飲めなかった。
お腹はとっても空いてたんだけれど、なんだか力が出なくて哺乳瓶を吸えなかったんだ。
ママはガーゼにミルクを含ませて少しずつ少しずつぼくにミルクを飲ませてくれたよ。
夜中もずっと起きていて、湯タンポのお湯を替えてくれたりおしっこをさせてくれたり、お世話をしてくれた。
おかげでぼくはすぐに元気が出てきて哺乳瓶からミルクをお腹いっぱい飲めるようになったのさ。
本当のママは覚えてないけど、人間のママがずっと一緒に居てくれたから
ぼくは病気にもならずにここまで育ったんだ。
ママの事は大好きさ。
時々怒られるし意地悪されたりするけど、やっぱりママが一番だね。
だって、
おやつをくれるんだもん。
それが理由で何か悪い?
だってぼくは気まぐれな猫なんだから。
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