共生と訣別

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だけど果乃子に出会って、俺のモノクロの世界に色彩が、通年冬だった世界に四季が、五感を怠惰にしていた俺に敏感過ぎる感覚が与えられた。 思えばあの毒入り弁当を食べた日から、俺の思考と身体は果乃子に侵されていた。 果乃子は俺を見下げることなく、俺が持ってる価値を慈しむように咀嚼してくれる。俺のコンプレックスは彼女が舐めとってくれた。
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