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「…富士男!あんた言っていいことと悪いことがあるよ」
俺を蹴ったのは由真さんだった。
「あっごめん。思い切り盗み聞きしてた」
俺と古高さんに頭を下げる由真さん。こういう潔いところに好感が持てるんだ。でこの状況ではどうしたらいいんだ?俺は酷いことを言ったのか。まさに不明だ。
「…あのわたしがしつこかったからです…。田中さん、お尻大丈夫ですか?」
「由真ちゃん、そんなデリカシーのない奴放っておいたらいいよ」
デリカシー?俺はデリカシーがないのか。そんな自問自答をしている最中も古高さんは続ける。
「…わたし、田中さんが好きで、…ずっと憧れてました」
この方はもしかしたら何かの病気なのかもしれない。
「古高さん、是非とも視力検査と脳の検査をお勧めします」
「はい。先日受けてきましたが、視力は両目ともに1.0。脳にも異常はありませんでした」
となると…
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