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2人とも防具に身を包み、相対する。
「では始めようか。一本勝負で良いな?」
「はい」
バシィィィン!
開始の合図は無かった。
暫く続いた静寂の後、お互いの竹刀がぶつかり、激しい音が道場内に響く。
前回は手も足も出なかった。でも今なら。
そう思っていたが、どれだけ攻めても軽くあしらわれる。
向こうからは仕掛けてこない。何故だ。
体勢を立て直すために間合いを開ける。
が、それが間違いだった。
俺が後ろに下がった瞬間、父が動いた。
一気に間合いを詰められる。
(まずいっ!!)
一瞬だった。そして一撃だった。
父が放ったのはたった一撃。だがその一撃は俺の面を的確にとらえた
負けた……。
(まだ届かないのか……)
悔しい。そう思うのも久しぶりだった。
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