prologue Ⅰ 始~ハジマリ~

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「何で急に手合わせするなんて言い出したんですか?」 俺は聞いた。 今なら答えてくれるのではないか。 そう思った。 「確かめたかったのだ」 父は面を外し、こちらを見ずにそう言った。 「確かめる?何をですか」 そして父はこちらを向いて、 「今のお前をだ」 今の俺.....? どういう事だ? 「手合わせしてわかった。お前、嘘をついているな」 「!!!......」 「何かあったのか?」 俺はその問いに答えられなかった。 「まぁ、話したくないのなら無理には聞かん。さぁ、飯の時間だ行くぞ」 父が出ていった後の道場の中で、俺は暫くその場から動けなかった。 その日はふて寝した。 本には触れなかった。
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