prologue Ⅰ 始~ハジマリ~

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「ただいま」 「おかえりなさい」 玄関の扉を開けると、母が出迎えてくれた。 「父さんは?」 「道場よ。今生徒たちに稽古をつけてるわ」 「わかった。ありがとう」 一旦2階の自室に行き、荷物を置いて道場に向かう。 道場の近くまで来ると、中から気合いの入った声がいくつも聞こえてきた。 この道場では、小学生から社会人まで幅広い年代に稽古をつけており、今日は中学生が稽古をつけてもらう日になっている。 中に入ろうとしたところで声が止んだ。 どうやら休憩に入ったようだ。 ガラガラ 中にはいると「こんにちはー!!」と元気な挨拶が飛んできた。 「よぉ。相変わらず元気だな」 中には防具に身を包んだ中学生達と、道着姿の父がいた。
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