prologue Ⅰ 始~ハジマリ~

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すぐさま父のもとへ行き、 「父さん、ただ今帰りました」 「うむ。そうだ、ちょっと手伝ってくれんか?」 「良いですけど、何をすれば良いんですか?」 「うむ。この後、生徒たちに練習試合をしてもらおうと思っているのだが、なにせ人数が多いのでな。一人では手が回らんのだ...。そこで、二つのグループに分けて片方をお前に見てもらおうと思ってな」 なるほど、そういうことか。 まぁ、俺に出来るのは精々それくらいだろう。 「わかりました」 「うむ。では、道着に着替えてきてくれ」 「はい」 俺はすぐに更衣室に入り、制服を脱いで道着に着替える。やっぱりこっちのほうが落ち着く。 それから俺は、任せられたグループの生徒たちの試合を審判をしながら見て、必要とあればそのつど指導もした。 とは言っても指導の内容のほとんどは父からの受け売りだ。 とまぁそうこうしている内に、今日の練習が終了した。 「今日の稽古はこれまで。皆まだまだ未熟ではあるが確実に力はついてきている。これまでやってきた事を忘れずに、これからも精進するように。以上」 「はいっ!ありがとうございました!!」 中学生達が出ていくと、道場に静寂が訪れた。 「そろそろ晩飯の時間だ、いくぞ」 「はい」 父も俺も、着替えを済ませ道場を後にした。
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