二人のDifference

Secret space

思った。
言うわけにはいかない気がする。
私は答えられなくて、晃佑は溜め息をついた。
「俺はおまえと恋愛ごっこをしたいわけじゃない。恋愛ごっこにしかなっていないかもしれないけど、俺はおまえといたい。ただの友達なんて俺のほうが嫌だ。俺をそんなに軽く見ないで欲しい。
おまえにフラれて泣いてんのは俺だろ？ただの遊びで泣く男だと思われてる？おまえは軽い男がいいのか？
………なんか責めてる感じになってきたな。ごめん」
晃佑は私から手を離して、距離をとるようにベッドに顔を伏せた。

軽く見るのは女のほう。

加藤くんに言われた言葉のままのような気がした。
誠実な人だと思いながらも、ミクに想いを残しているくせに私といる…なんて、軽く見ていたのは私なのかもしれない。
カケラも晃佑の気持ちがないと決めつけていたのは私だ。

また傷つけてる。

本当、加藤くんの言うように自己完結の妄想の暴走の前に、千香か加藤くんに相談するべきだったかもしれない。

きっと二人なら言ってくれる。

話を聞いてもいないのにわかるはずない、って。

「襲われた責任だけで…いてくれてるのかって…」
疑っているのは私のほう。
信じていないのは私のほう。
「なぁ？責任が先にくるか、おまえに惚れてるのが先にくるかってこと？……責任は感じている。けどな、その責任だけでおまえが隆太と話していることに妬くと思うか？あいつにしか妬かないんじゃないかって思われているかもしれないけど。俺の女になった女に手を出すのはあいつしかいなかったからで…。更にはあいつに奪われた過去があるからで…。あいつが本当に簡単に奪ってくれるから…。
……話せば話すほど、自分の小さくて情けない姿を晒してる気がする。隆太への嫉妬もある。…かっこ悪すぎ」
晃佑は項垂れて。
言いたくないことを言ってくれた気がして。
私はその晃佑の背中の服を掴む。
「……私もミクに嫉妬してる。晃佑が好きになった人だから」
「……今、ぐっさりきた。確かに惚れたっ。けど、フラれたのは俺だっ。俺に好きって言いまくっていやがったのに、隆太にいって？隆太にフラれたから戻りたいって言って？……おまえにはわからないかもしれないけど、気持ちを弄ばれるのは俺はもう嫌だ」
「迷ってた」