Destiny(Kosuke↓all)

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責任をとれと責められたほうがマシだ。 だって相手は…。 俺の中に高校の頃の記憶が蘇る。 卒業してから2年近くたっている。 連絡を取り合うような仲でもない。 話したこともない。 そんな同級生に実家でもない、少し地元から離れたここで再会をして。 ………俺は何をしたっ!? …いや、したんだろうけど…。 完全に記憶がない。 飲みまくったのは記憶にある。 途中からぷっつりと記憶が途切れている。 「あるだろっ!……した?よな…?」 俺は杉浦に確認するけど。 「記憶にありません」 まったく責める様子も、俺の記憶がないことに悲しんでくれる様子もなく、同じような言葉が繰り返される。 「嘘つくなよっ。記憶にないのは俺だっ」 「だから何もありませんでした。帰ります」 「……ダメ。ってか、なんで杉浦サン?どこで会った?高校卒業以来だよな?」 俺は杉浦が帰らないように引き留めて、なにがどうなってこうなっているのか聞き出そうと必死だ。 もしも強姦なら謝り倒す。 もしも同意なら…。 ……つきあう…とか…。 なんてところまで考えて、微妙にドキドキしてきた俺の前、杉浦はいきなり腹を抱えてうずくまった。 「ど、どうかした?」 「奥…いっぱいされて痛い…」 泣きそうな声で言われて、どんなに妄想を止めようとしても止まらなかった。 ……やっぱりしたのか。 杉浦と…。 俺の視線はどこを捉えていいのかわからず、半分挙動不審。 杉浦は玄関で座り込んでくれていて。 そんな痛そうにしながら、別にすぐ帰らなくても…と思う。 「……とりあえず部屋の中戻ろう。…というか、俺、中で出してないよな?」 俺は杉浦の腕を掴んで、部屋の中で休ませようと引っ張って。 子供できたらどうしようなんて考えてみる。 …杉浦の子供なら…かわいいだろうな…。 できていたらやっぱりそこは生んでもらいたいかも…。 なんて思っていた俺の手に、杉浦の手がふれた。 ドキッとしたのは一瞬で、俺の手は杉浦から離されて。 「避妊していたので大丈夫です」 杉浦はそう俺に答えてくれながら立ち上がり、そのまま玄関の扉を開けた。 逃げられている。 思いっきり。
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