Dainty girl

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「もう俺が酔ってる時に家にくるなよ?」 俺は焼けたパンとコーヒーをチカの前に出して言ってやる。 チカはうんうんと頷いてくれる。 …本気でわからない。 なんで…俺とした? 興味はまったくないのか? 答えを聞いてしまうとまた凹みそうで、チカが俺が出したものを食べてくれるのを見ながら、俺も朝食を採る。 「酔ってないときはきて?」 「遠慮します」 試すように言ってみると、即答拒否をいただいた。 頬がひきつりそうだ。 「俺の希望を遠慮するな。というか、つきあおうって何回言えば頷いてくれんだよ。酔ってるときはするくせに、シラフのときには思いきり拒否してくれるし。酔ってる俺にもうおまえとセックスさせてやらない」 俺は拗ねた言葉を吐くと、飯をさっさと終わらせ、軽くシャワーを浴びにいって、顔を洗って薄くはえたヒゲを剃ってと、いつもの朝の支度。 凹み…まくるけど。 それでも諦めてしまいたくなかったりする。 チカに惚れられたい。 他の女なんて…興味ない…。 俺は右耳につけっぱなしの深紅のピアスにふれて、ぼんやりとミクの姿を思い出す。 ……同じ、なんだろうか? 連れにはなれても、それ以上にはなれない。 俺がその程度の男だから。 またネガティブ思考になった頭を振って。 まだ飯を食べているチカのそばに座ると、その髪にブラシを通す。 柔らかくて綺麗な髪だ。 寝て起きてそのままなのに、はねてもいないし、からまってもいない。 「黒もいいけど、色抜いても似合いそうだよな。体もスタイルいいし、もっと体のライン見せるような服着ても似合いそう。素材はいいのに地味だよな。もったいない。 パン食べたらデートな?バイト、夜からだろ?」 「……パン食べたら帰ります。お風呂も入りたいし」 「ここで入れば?連れから女物の下着もらったし、おまえにやるわ」 「遠慮します」 「すっげスケスケセクシーで小さいの。着て?」 俺は拒否の言葉をもらうつもりで言って。 「本気の本気で遠慮します」 チカは俺を軽く睨んで思ったとおりのことを言ってくれて俺は笑う。 連れには…なれる…よな? 高校の頃には話したこともなかった。 それを考えれば、今の状態でも喜べる。 ……はず。
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