Dainty girl

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「お。似合う、似合う。エロかわいい。給料残ってたら買ってプレゼントするのに」 ここで見納めかと思うと、なんとなく残念にも思う。 本当に似合ってくれているから。 「…私、彼女じゃありません」 服をプレゼントはチカの中では彼女にしかしないものらしい。 彼女…ではなくても、狙ってる女には貢ぎたいように思う俺がいる。 「もう彼女でいいだろ。2回もセックスしてセフレのつもり?」 「それは晃佑が強引にっ」 強引に…だったらしい。 やっぱり強姦だったのかも。 だけど…。 「記憶にない。けど、逃げずに縛られていたのはおまえ」 俺はそうチカに言ってやった。 今も逃げずに俺につきあってデートしてくれているのはおまえだ。 強引にデートに連れてきたつもりは俺にはない。 ……なんて。 単にチカが俺に歯向かえないだけだったりして。 ……ありえる。 嫌なら嫌って本気で拒否しまくってくれればいいのに。 俺はそこまで強引でもない。 ……酔ったら強引なのかもしれないけど。 「…カード使おう。それ着てデートな。次は靴を見にいこう」 俺はチカが拒否をしてくれないからと、自分のしたいようにさせてもらう。 その細い足首を綺麗に見せる高さのヒール。 服に合わせて選んで、全身俺好みの女にして。 その手を引いて、繁華街を連れ回す。 連れ回しているうちに、最初はその服に恥ずかしがっていたチカも少しは慣れたようだ。 俺はチカを改めて見て、その足や胸元はやっぱり見せないほうがいいかなとも思う。 他の男がチカを見ると、どこかムカつくから。 つきあってはいないけれど、俺にとっては特別な女。 チカを連れ回して遊んでいると、俺は声をかけられて立ち止まる。 女二人組。 チカと比べると、それはやりすぎだろと思える派手な女二人組。 というか、この片方に俺は狙われている。 訳あって応えてやっていないけど。 訳を言ってしまえば、薬中…、麻薬依存症ってやつだから。 俺の連れの中ではよくない部類。 あまり関わらないようにしているし、向こうも挨拶程度のつきあいしかしてこない。 この女、トモは別として。 トモは俺を見かけると、すぐに俺に声をかけてきて一緒にいたがる。 俺にも依存をしてくれている。
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