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トモに連れ去られるかのように、俺はさっきまでいた奴らと離れて。
遊んでいる中で俺の家に いきたいと言われるのは、いつものことになっているかもしれない。
一人暮らし、誰を家にあげても誰の迷惑にもならないし、家に連れて帰ってやる。
まぁ、気を抜くと襲われる。
俺は俺の彼女になったかのように、俺の家の風呂に入り、パジャマとして貸し出したシャツだけを着たトモにいきなり唇にキスをされて。
そのノーメイクの頬に手をあて、唇を離れさせる。
メイクをしていないほうがトモはかわいいと思う。
本人はメイクをしていないと目が小さくて嫌だと言うけど、小さい目もかわいい。
「つきあってないのに、そういうことしない」
俺は言ってやる。
トモは不満そうに頬を膨らませる。
「コウがつきあってくれないだけじゃない」
「クスリやめられたらつきあってもいいって言ったことあると思うけど?やめられていないのはおまえだろ?」
「……やめる努力はしてる。本当は私がヘルスやってる女で汚れてるからいやなんでしょ?」
トモの手は男に慣れたかのように、俺の体を撫でて、下半身にふれてこようとして。
俺はその手を捕まえて止める。
「そういうの関係ない。過去につきあった女には売春やりまくっていたのもいたから。ヘルスなんて本番もないし綺麗なもんだろ。
けどクスリは違う。それは見つかったら捕まる犯罪。クスリの取締り厳しくなってきたみたいだし、おまえももうやめろよ?また持ってるのか?」
「説教ジジィ」
「だったらおまえも他のクスリやってるやつらと同じように、俺に構ってこようとするな」
「…いや。コウが好きだもん」
「その気持ちは受け取るけど、クスリやってる限りは絶対につきあってやらない。本気で俺とつきあいたいなら、クスリはやめてくれ」
俺はそれだけは絶対に譲ってやらなかった。
「……やめようとはしてるよっ。コウがつきあってくれたらやめられるっ」
「今まで何度やめるって言ってやめてない?俺とつきあったくらいでやめられるとは思わないけど?」
「……誰とでもつきあうのに。クスリくらいでつきあわないって…、そんなの理由に断らないでよ。私がブスだから嫌だってはっきり言えばっ?」
トモは俺を睨むように見てきて。
いつの間にか喧嘩になってきた。
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