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納得してやれないのは、条件をつけてはいたけど、つきあってもいいとは言っていたからだ。
本当…、あんな馬鹿なことをしなければ、つきあっているのと変わらない距離で待っているつもりだったのに。
俺はトモと過ごしたいくつかの時間を思い出す。
俺に向けてくれる、その一途な気持ちを思い出す。
きっと俺だけに向けてくれていたもの。
………本当に馬鹿だ。
俺がちゃんとトモのことを受け止める方向に考えようとした矢先のこと。
待てなかったのはトモだろう。
「…晃佑のせいではないでしょ」
チカは軽く流すように言ってくれたけど。
「本人が俺のせいだって言ってたの。だから俺のせいらしい。……ごめん」
トモや俺を呼んだ奴の謝罪も含めて俺はチカに頭を下げた。
「晃佑のせいじゃないって私が思っているから、晃佑のせいじゃないの。……私も禁断症状出るのかな?…欲しいとは思わないんだけど」
「カズの家から押収された薬物の種類が多くて、おまえが何を口に入れられていたのかはわからない。って、また話を逸らしやがる」
俺はちゃんと謝っているのに。
「警察にも知り合いいそうだね、晃佑」
更に逸らされて、俺は俺の話を続けるのを諦める。
謝り続けるのも重い空気になってしんどい。
チカも黙るのをやめて話してくれているし。
「飲み屋でたまたま隣にいたオッサンがGメンで連れになった。今回はそのオッサンに頼んだ」
よくも悪くも、いいタイミングで知り合った人だと思う。
相互利用の関係ではあるけど、どんな連れでも相互利用ではあるだろう。
俺はそれを思って、思い出した。
そう。俺はチカの連れを知らない。
何かあったときには、チカの連れを知っておきたいように思う。
今、すべての事情をわかっていて、チカが頼れる相手が俺しかいないような状態になっている。
それでいいとも言えるけど、チカのことを考えるとよくないようにも思う。
俺は男で、チカの元カレで。
チカが本当に心を許して接してくれるかわからない。
今は大丈夫でも、いつなにがあるかわからない。
「俺もチカの連れ、知りたいかも。高校の頃の連れとまだつきあいある?」
「つきあいあるよ。紹介するの?」
「俺も高校の頃の連れを連れてくるから飲みにいこうか?」
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