Still

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私はぐだぐだと晃佑と長電話。 気がつくと空は曇り空でも明るくなっていた。 ぽつりぽつりと雨が降ってる。 学校へいく用意をしながら話してるときには音が聞こえるくらいの雨。 『で、きてくれるの?学校終わったら』 「バイト」 『バイト終わったら?』 「……家に帰ってご飯食べて寝る」 『飯食べにいこ。待ち合わせ場所は前と同じところで。時間は23時くらいで。…10分くらいは待って』 「明日も学校とバイト」 『俺も仕事ある。雨が降っていなければ。…少しは俺にかまえよっ』 「……どうして私なの?」 『おまえの髪に顔を埋めてるのが好きだから』 やっぱり髪を切ってしまおうか。 バイトを終えて、私は待ち合わせ場所へ。 行かなくてもいいって思うのに。 私は晃佑に会いたいらしい。 前と同じように携帯の時計を見ながら、そのビルの壁に軽くもたれる。 5分も過ぎないうちに晃佑はきた。 でも時間は守ってはいない。 「なに食べたい?」 「……あっさりしたもの」 寝不足もあって私は食欲なく答える。 「この時間であっさりって…」 「コンビニサラダが食べたい」 私がはっきりと食べたいものを言うと、晃佑は軽く笑って私の手を握って歩き出す。 「安上がり」 「奢ってくれるの?」 私は晃佑についていくように歩き出しながら聞く。 「当たり前だろ」 「なんで?」 「呼び出したのは俺だから」 お金があれば散財? あるだけまわりに奢っていそうだ。 コンビニでジュースとサラダとおにぎり1つ買ってもらった。 晃佑の家で私はそれを食べる。 会いたくないと何度思えば、私はここにくることがなくなるのだろう? 晃佑が私に電話をしなければ会うこともないと思えるのに。 ご飯を食べたあとは、お風呂に入って。 晃佑の抱き枕になって眠る。 ぎゅっと私の体を抱いて、晃佑も眠っていなかったのかすぐに眠りに落ちて。 私も晃佑の腕の中で小さく丸くなって眠る。 抱きしめてくれる腕が気持ちよくて。 耳に聞こえる晃佑の寝息に安心して。 …ねぇ? いつ私に飽きるの? できるだけ早くしてくれないと、ここを居場所にしたくなる。
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