Dreamy recollection

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「普通のしてみたい」 知花は少しだけ考えてくれるとそう言った。 普通のくらいは普通に今までしたことあるだろと思う。 「初めては?」 「晃佑だよ?」 聞いたことなかった。 ちょっと混乱した。 というか、あれ? もしかして最初にこの部屋で知花と朝を迎えたのが知花の初めて? ……まったくもって記憶にない。 というか、俺が知花の初めての男? それはつまり…。 「他に男はできたことないってこと?」 聞いてみると、知花はうんうん頷く。 まったくもって信じられそうにない。 「知花、美人顔でスタイルもすごくいいのに。モテただろ?」 「モテたことなんてない」 「いやいや、高校の頃、おまえのこといいって言ってたのがいるって」 「言われたことない」 知花は当然のことのように答え続けてくれる。 こんな美人が今までつきあったこともなかったなんて、俺にはとても信じられそうにない。 当然のことのように告白されまくりだろと思っていた。 「…俺が初めての彼氏?本気で?」 「晃佑とお父さんくらいしか男なんて知らない」 知花はどこかうれしくなさそうに言ったけど。 そんな女を俺はあまり知らない。 どちらかと言えば、遊びすぎだろと言える女とばかりつきあっていた気がする。 なんか思っていた以上に知花はウブだ。 「…かわい」 思わず口からそんな言葉がこぼれた。 俺しか知らないって、何かがうれしい。 誰かと比べて俺のほうがいいと言われるのもうれしいけど。 俺の好みに染めていけそうでうれしい。 セックスももっとちゃんとこうしてと教えればしてくれるかもしれない。 「普通のする?知花が逃げなければ、普通に普通だから。そういうプレイが趣味ってわけじゃないし」 俺はもう一回、今度はイチャイチャした感じになるようにしてみようと声をかけて。 「他に男つくってやるっ!」 知花は何が不満だったのか、悔しそうに言いやがった。 「ちょっ、なんでそうなる?知花が俺だけのものっぽくて喜んだだけだってっ」 「晃佑も私だけのものになってよっ」 「なってる。俺の彼女はおまえだけ」 「過去にいっぱいいるっ」 いや、いるけど。 過去は過去だ。 「……なぁ?さすがにそこに公平さは求めないほうがいいんじゃないか?3ケタいきそうな勢いで元カノいるから」 「女好きっ」 「だったらおまえも3ケタ全部にフラれてみろ」 俺は半分キレた。
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