Dreamy recollection

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知花に女好きと罵られて、3ケタいく数の女にフラれまくった俺の恋愛なんてわかってくれる気もしなくて。 それでも同じベッドで眠って朝になると、いつもと変わらない生活が始まる。 女好きというほど女が好きなのかと聞かれると、そうでもないと思う。 思うが、俺との恋愛しかしていない知花にとってみれば、それだけのつきあいがあれば女好きと言われて当然のようにも思う。 それでも不満だ。 俺を理解してくれていないことに。 仕事を終えると、俺はいつものようにまっすぐ家に帰ることなく、隆太のバイト先のプールバーへ向かった。 ちなみにプールバーとはビリヤードのできるバーという意味で、プールがあるわけじゃない。 腹は少し減っている。 帰って早く知花と食事を作って食べたい。 店内は開店しているものの客も少なく静かで、俺はラシャにブラシをかけていた隆太の背中を見つけて、その頭に持っていたバイクのメットをぶつけた。 隆太は痛そうに振り返り、相手が俺だとわかると睨んでくる。 相手が酔っ払いの客なら睨んでないということだろう。 俺だから睨みやがる。 なんというか、素の自分を見せる。 「痛いだろうがっ」 「謝ってやらない。で?俺の高校の頃の連れっておまえしかいないわけじゃないのに、なんで知花はおまえを指名する?おまえ、俺の知らないところで知花に手を出してないか?」 「指名?なんの話?」 「互いの友達紹介しましょうって知花に言っていて、おまえが俺の連れてくる連れとして指名された」 「杉浦サン、おまえの高校の頃の連れなんて知らないからだろ。俺も再会したばかりのとき、わかってもらえなかったし。ただ今はわかるっていうだけで選ばれたと思う」 「おまえだけは嫌だって言ってるのに」 「なに?そんなに手を出して欲しいのか?杉浦サン、高校の頃からかわいかったもんな。かなり声をかけづらいタイプではあったけど。 それよりおまえ、なんで杉浦サン?どうやってつきあった?」 「…髪を引っ張って」 俺は隆太にそう答えてやった。 意味はわからないだろう。 俺も知花に言われたときは意味がわからなかった。 今はだけど…、その髪を引っ張ってでもきっかけをつくりたかったんだろうなと、酔った俺を理解する。
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