Dreamy recollection

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知花とのデートは繁華街を避けている。 知花が作ってくれる飯のほうが好きだし、外食もあまりすることもない。 それでも作るのが面倒な時は宅配を頼んだり、コンビニで済ませる。 知花といるときに知り合いに会うことを避けている。 声をかけられると立ち話をしてしまうし、そこから遊びに誘われても知花が嫌がるからと理由にできない。 だったらと俺がそこにいることを避けている。 本当の連れなら、どんなにつきあいが薄くても長く続く。 久しぶりと挨拶ができる。 知花とのつきあい始めに懸念はしたけど、本当の連れであることを願って、そこから離れた。 ミクからのメールはくるけど、3ヶ月気のない返事ばかりしていたから、さすがにミクも誘ってはこない。 かなり暇なのだろうというときには遊びに誘われるけど、知花が家にいると携帯を手にすることもなくて、気がつくのは翌日の仕事の休憩中だ。 職場と知花が今の俺の人間関係のすべてと言える状態である。 これが通常とも思えるけど、たまに大勢に紛れて騒ぎたくも思う。 でも、たくさんの知り合いと知花のどちらかを選べと言われたら、今の俺には知花しか選べない。 知花との最初の別れや、強姦や、色々思うことはあっても、ただまっすぐにひたすらに知花だけを愛してる。 そんな自分に呆れもして、あまりに偏りすぎた俺の感情がまた破滅を導かないか心配にもなる。 愛することは相手を信じること。 そんな気がする今日この頃。 早咲きの桜を知花と手を繋いで見に行くデート。 春だなと桜を見ると思う。 宴会のような花見は毎年していた気がするけど、こんな昼間にゆったりと本当に花を見るだけの花見は初めてかもしれない。 知花といると初めてが多いなと思う。 公園のベンチに知花と座って、春先の暖かい陽気に眠くなる。 俺はあくびをして、隣の知花の膝を見て。 外でいちゃつくのは嫌だと怒られそうな気がしながら、思い切ってその膝を枕に横になった。 知花の顔を見上げると、その表情は特別怒ってもいない。 その手は俺の髪にふれて軽く弄ぶ。 なんか…うれしくてにやけそう。 俺は目を閉じて、知花の膝に顔を擦り寄せて甘える。 ものすごく幸せと思う一時。 俺が甘えた態度をみせるとろくなことはないけど。
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