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なんというか独占欲だ。
そういうつもりはなかったけど、かなり満足。
耳に違和感でもあるのか、ふれようとする知花の手を握って止めた。
「あまり弄るとバイ菌入って化膿する。…俺のピアスより、もっとかわいいのつけたいな。キラキラしてるのとか、揺れるのとか」
知花の耳には俺が使っていない、金属アレルギーの出にくいプラチナのピアス。
似合うと言えば似合うけど、知花には女らしいもののほうが似合うと思う。
何か買ってきてやろうかなと、その俺の印を眺める。
「この違和感、眠ってるときにさわっちゃいそう」
「ずっと手、握っておく?」
俺は握っていた知花の両手に視線を移す。
白くて細くて綺麗な手をしているなと見ていたら、ぎゅっと俺の手を握ってきた。
何かと思えば揺らして遊ぶ。
何かがかわいくて笑ってしまって、俺は知花の頬にキス。
もう一度、今度は唇に軽くキスをしてやろうとして。
知花が目を閉じるのを見ながら、軽く唇にキス。
好き。
そんな気持ちを唇にのせて。
俺を受け止めるかのように知花の顎はあがっていて。
軽いキスのつもりが、甘いキス。
知花の顎があがるほど、もっとと求められている気がして、俺は唇で知花の唇を愛撫する。
知花の体はそのまま後ろにどんどん倒れていく。
俺は知花の手を離して、その背中を支えるように抱いて。
知花の手は俺を少し引き寄せるかのように服を掴む。
やばい…。
ちょっと下半身きた。
俺は唇を離して、吐息をこぼして、すぐそばに見える知花と見つめあう。
知花の手は俺の頬にふれて、今度は知花からキスをしてくる。
求めて…くれるのはうれしいけど…。
「…したくなる」
俺はちょっと困る。
うれしいけど、なんだ。
またこのパターンかと気がついてる。
「しよ?」
知花は俺の胸から腰にその手を滑らせて撫でて、俺の体に体を寄せてきて。
俺は知花の誘惑に弱いかもしれない。
というか知花の誘惑も進化していやがる。
俺はその体をそこに倒した。
「逃げたら縛る。……って、いつもいつも、さてそろそろってところで逃げるくせに、なんで誘うんだよっ?」
「…だって…いっぱい乱れて恥ずかしい…」
知花は顔を真っ赤にして、それが今までの本当の理由だとでもいうように言った。
なに、それ?
かわいすぎるんですけど。
確かになりふりかまわず乱れてくれるけど。
俺は思わずうれしくて笑ってしまう。
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