Day to day

6/25
前へ
/606ページ
次へ
すべての女にそうなるわけでもない。 知花というかわいい彼女がいるのに、何度も喧嘩して別れて戻ってを繰り返すのに、そんな余裕持てるわけがない。 千香は特別だ。 知花の次に本気で理想。 知花との間で合わない部分を千香にかえればぴったりくる。 …なんて、そんなことができるはずもない。 いいと思う部分があって、嫌だと思う部分がある。 それが普通なのだと思う。 人間だから。 知花がバイトでいない別の夜、俺は隆太に会いにプールバーへいった。 俺を見て思いきり機嫌悪く隆太は睨んでくる。 俺はカウンター席にまっすぐいって、そこに座る。 「…おまえ、出禁にしてやろうか」 「店長に了承もらえたらしてもいい」 「おまえのこと気に入ってるから、おまえ雇って俺のほうが追い出されるだろっ」 隆太は声をあげて、俺の前におしぼりを投げつける。 俺はおしぼりを手にして、手をふきふき。 「で、千香のことなんだけど。…あ、その前にビール」 「…おまえがああやって追いかける時には、何かはずしたことがない気がする。…浮気でもしたか?トモちゃんと半年のマンネリか?その相手に千香を選んだ理由はっ?」 隆太は慣れたようにビールサーバーからビールをついで、俺の前にそのグラスをおく。 どこまで嫉妬されているのだろう。 「キスはしたけどセックス拒まれた」 正直に言うと、隆太はカウンター越しに俺の頭を目掛けて蹴りを入れてきて、俺はビールを手にそれを避ける。 こんなバーテンダー、こわくて嫌だと思う。 「たまたま千香がいて、かわいいと思っていたら、その知花とはちょっと違う、からかうような姿勢がいいなぁと。知花のからかいは痛いこと多々ありだし」 理由をつけてやっていたら、今度はマドラーが飛んできた。 俺はそれを避ける。 アイスピックではなくてよかったが、ステンレス製のそんなもの当たっていたら痛い。 「千香に手を出すなっ」 「だったらおまえも知花に手を出すな。電話もかけるな、声もかけるな。俺はつきあってるけど、おまえ、つきあってないくせになに?その俺の女に手を出すな的なもの」 それが聞いてみたくてきた。 隆太の女遊びの理由ともいうべきところになると思う。 千香にまだ惚れていると言わせれば俺が満足するのか謎だ。
/606ページ

最初のコメントを投稿しよう!

584人が本棚に入れています
本棚に追加