Day to day

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「千香にフラれたのは俺だ。おまえが千香にいくならトモちゃんにいくぞ。奪われたくないなら、下手なこと言うな」 「……わかった。千香にいく」 俺はビール2杯分の金をおいて店を出ようとして。 「なんでおまえが千香のために動いてる?」 隆太はそう聞いた。 「いつ俺が千香のためって言った?自分の欲望のため」 「トモちゃんに惚れてるのに、おまえがそんな無茶なこと言い出すからだろ」 「なぁ?一途って言葉はわかるけど、すべてに盲目で一途で永遠にいられるのなんて稀だろ?俺にもよくないところがあるように、知花にも俺が嫌だと思うところがある。その小さな隙間を埋めるように懸命になるのは俺ばかり。恋愛に疲れることもある。他の女に走って逃げたくなることもある。惚れた気持ちが色褪せているわけじゃない。それでも疲れたと思うことがある。俺だけじゃないと思うけど?」 本気であればあるほど、本音でぶつかるから、余計に疲れるのだろう。 恋愛ごっこのほうがもしかしたら気楽でいられるのかもしれない。 元カノが俺との恋愛を恋愛ごっこにしたのは、つきあうことは疲れたという意味だったのかもしれない。 「……疲れて逃げる相手の女が千香というのはやめてもらいたい」 「なんで?」 「…今でも俺は千香を大切に思うから。傷つくのを見たくない。おまえに傷つけられるのを見たくない」 「ちゃんとかわいがるって。そのうちちゃんと惚れる」 「おまえにはトモちゃんがいるだろっ。変なこと考えんなよっ」 隆太は俺を本気で止めにかかってきた。 そうなってもらわないと困る。 知花を傷つけるのは俺にとっても本望じゃない。 いくら疲れていても、俺はまだ諦めてはいない。 妥協していないから痴話喧嘩が多いけど。 別れたいなんて思っていない。 「じゃ、おまえが俺のかわりに千香を燃やしてやれる?」 「…燃やすって…」 「本気の恋愛させるってこと。もちろんそうなるとおまえも本気にならないとダメだけどな。…おまえには無理だな。やっぱり俺が…」 「ちょっ、待てっ。なんでそうなるっ?ついでに俺には無理って諦めるの早すぎだろっ」 「だったらやってみろ。どうせ無理だろ」 売り言葉に買い言葉。 「やってやるっ!」 隆太はキレて声をあげた。 …かかった。 よくやった。俺。
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