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知花は声をあげてわんわん泣く。
泣き上戸はいきなり泣くから本当に驚く。
「ちょっ、知花っ?そんな子供みたいに泣くなって。酔ってるのか?ごめんって」
俺は思いきり驚いて、知花の頭を撫でて慰めようとして。
知花は泣き上戸なだけじゃなかった。
俺の膝に座って抱きついてきての絡み上戸。
すりすり、すりすり甘えてくることに悪い気はしないけど、他の男といるときに飲むなよとは思う。
「……俺を潰すつもりでなんで潰れてんだよ?俺のほうが飲んでるのにまだ潰れてないぞ?」
「もう酔い潰れなくていい。ぎゅうってずっとしていてくれたらいいの」
何か口調まで甘えたものに変わってる。
無意識なのか、意識してなのか。
酔っ払いはわからない。
知花を膝に乗せたまま、その背中を軽く抱いてあやして、食事の続きをとろうとすると、俺の首筋に知花のキスが降りまくる。
舐めて、吸って、また舐めて。
そこ、ダメ…。
俺は呼吸をあげて、我慢しきれそうになくて。
「裸で抱き合う?……縛る?」
「して。なんでもいい。晃佑にふれられたい」
知花は酒に酔った潤んだ目で俺を見て、俺の膝の上に座ったまま、着ていた服を脱ぎ捨てる。
ものすごく大胆だ。
いつもの知花と違いすぎる。
知花は俺の服も脱がしにかかってきて、俺はおとなしく脱がされて、俺の体に唇を滑らせる知花を見る。
恥ずかしそうにしてくれるのもいいけど、ここまで積極的なのもいいかも。
「……酔ってる知花、いいかも。キスは?知花」
俺は唇にキスを求めるように言ってみる。
知花はうれしそうな笑顔で俺の唇にちゅうっとキスをくれる。
離れない。
唇は押しつけられたまま。
俺の唇は知花の唇に食べられていく。
「…んっ、知花…。息できない…」
俺は少し離れてもらおうとして。
知花は離してくれない。
俺の唇からこぼれた吐息も飲むようにキスをして、俺は知花にその場に押し倒された。
そのまま知花の唇はまた俺の体を下へと滑っていって。
今度は下半身。
俺の腰に腕を回して離してくれない。
ものすごく襲われてしまっている。
俺が吐息を飲み込めずにあげると、知花はうれしそうに更に激しく感じさせてくる。
「…これちょうだい。晃佑」
なんておねだりされて、我慢なんてできるはずもなく。
酔ってる知花の腰の動きはいやらしくて。
俺がイキそうになって止めるとおねだり。
溺れさせられた。
理性なんてぶっ飛んだ。
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