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こわかった。
隆太もこわかったし、自分が母と同じモノになりそうなのもこわかった。
いやなのに、こわいのに、隆太に引っ張られていくしかできなかった。
立ち止まると引っ張られる。
部屋に背中を押されて入ると、隆太は扉を閉めて。
どこかに逃げようとしたら、体は壁に押さえつけられて、ほぼ無理矢理のキス。
そんなキス、隆太はしなかったっていう、私の知らない隆太のキス。
息が苦しくて、鼓動はどんな音をたてているのか、自分でもわからないくらいで。
呼吸を荒くした隆太は唇を放すと、私に背中を向けさせて、下着をおろしていく。
お尻をあげさせるように私の腰に隆太の腕が回る。
「…やだ…」
「無理。今、止められても絶対無理。…もう入れる」
隆太の手がふれて、無理矢理濡らすように指につけた唾液をつけて、そこを拡げて、中に押し入れようとしてきて。
私は壁についた手に力を入れて、ぐっと歯を食い縛る。
「…千香、力入れすぎ。もうちょい…力抜いて。入れたい…。早く…」
私は頭を横に振っていやって示したけど、隆太の腕は私の腰を離してくれない。
手で抵抗しようとすると、手を握られて、拡げてくるそれに思わず呻いた声をこぼした。
「いた…い…っ」
「…締まりすぎて俺も痛い。力抜いて。お願い。……痛くないようにする。千香…」
隆太の手は私の唇にふれて、私の口をこじ開けるように開けさせる。
と、中に一気に押し込まれて、私の口からあげたくもないのに声が大きくこぼれた。
背後から聞こえるのは獣のような呼吸。
目の前に見えるのは明かりに照らされた明るい壁。
口には隆太の指が入り、私の舌を撫でる。
痛い。
隆太が動くと擦れて痛い。
痛いのに口からこぼれるのは、聞きたくない女の喘ぎ声。
「…イク。…女の中でイクの初めて。このままイカせて」
なんて隆太はまったく私の感情無視してくれて。
足が立っていられないくらいになっても、私の腰を掴んで離してくれなくて。
私は涙をぼろぼろこぼしながら、初めてを隆太に犯されて奪われた。
隆太はイッて、私の中から出してくれて、私はずるずるとその場に座り込んだ。
「……って、千香っ?おまえ、もしかして……処女?」
隆太はやっとわかってくれたらしく聞いて、私は鼻をすすりながら頷く。
痛い。
まだ足が震えてる。
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