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朝にカラオケを出て、あくびをしながらコンビニに寄ってジュースを買って、コンビニ袋を紫苑に持ってもらって、並んで歩く。
マンションの前まで到着してバイバイとしようとしたら、私の部屋にメット置いてきたとか言ってくれて、結局私の部屋に帰る。
煙草を口にくわえて部屋を片付けていたら紫苑も手伝ってくれて、片付け終わって、ジュースを飲んでいたら眠くなって。
起きたらベッドの上。
隣には紫苑が眠っていた。
紫苑を起こさないように起きて、また煙草を吸いながら、休みの日にしかしていない洗濯と掃除。
終わっても紫苑は気持ちよさそうに眠っていて、サンドイッチを作って昼食。
テレビはめったにつけないし、音楽もめったにかけない。
サンドイッチができあがるって頃に紫苑は起きて、慣れた家とも言わんばかりにトイレにいって、戻ってくると後ろから抱きついてきた。
「千香、俺のは?」
「欲しいの?」
「欲しい」
すりすり擦り寄っておねだりしてくる。
しょうがないから全部紫苑にあげて、私は別の食事を作る。
パスタ。
何かやはりスギのいないときの餌係りをしてしまっている。
「隣の部屋の住人とつきあっていたとき、こっちきたことなかったの?」
「外かほとんど俺の家。あの実家から抜け出すのは大変そうだし、どこかにネグラあるだろと思っていたけど、まさか千香の家の隣とはな。だからこそ、隆太はミクを完全に自分から引きはなそうとしていたってところか」
紫苑はカウンターを机にしてサンドイッチをそこで食べながら教えてくれる。
私は紫苑にコーヒーを淹れて出して、自分の食事を作っていく。
「…ミクはまだ隆太のこと好きなのかな?」
「さあな。フラれて1年以上経過してるし。ミクの性格じゃ、一人でずっといるとも思えないし」
「紫苑はミクを慰めてあげなかったの?スギとつきあう前になるでしょ?」
「フラれて1週間で知花と出会ってた。俺を振ってくれた女を慰めたりはしない」
「私はどこか慰められている気がするから、紫苑を振ればいいのか。…言って?」
にこっと笑って紫苑を見ると、紫苑は思いきり嫌そうな顔を見せてくれる。
「遠回しに俺を突き放すなよ。今日も泊まっていい?千香の隣でもぐっすり眠れることがわかった」
「私がいなくても眠り続けてましたけど?」
「同じ部屋にいて物音聞いていたからだと思う」
「なに?紫苑も淋しがり屋?」
「…かなり」
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